箱根駅伝。昔はただテレビで見ているだけだった。
寒い中、沿道で声を上げて応援している人たちを見て、「なんでわざわざ行くんだろう?」と思ってたし、長い距離をひたすら走るだけの競技にどんな楽しみがあるのか全然わからなかった。正直、自分には無縁の世界だと思ってた。
でも数年前、ひょんなきっかけで沿道に立つことになった。
そのとき、目の前を走り抜ける選手たちを見て、心がぐっと動いた。選手たちの息遣い、筋肉の動き、真剣な表情、すべてが本気で前を向いてて、その姿は私にとってはとても鮮烈で、感動的だった。そして今年もまた、選手たちに会いに沿道に行ってみた。
観客たちは静かに待つ。
冷たい空気の中、空から響くヘリコプターの音が近づくと期待が高まり、選手たちが視界に現れたその瞬間、時間が一瞬止まったような気がした。
彼らはただ走る。それだけなのに、なぜこんなにも胸が熱くなるのか。前を見つめるその顔には、迷いが一切ないように映る。あの純粋な姿を目の当たりにして、体中が熱くなった。
やってみたかったことに、本気で向き合ってみたいなと。
必死に何かをやることって、意外と難しい。結果が気になったり、周りの目を気にしたりして、途中で足が止まることが多い。でも、あの選手たちはそんなことに目もくれず、ただ自分の走りを全力でしていた。それがすごくかっこよく見えた。
年齢を重ねるにつれて、衰えていく部分は確かにある。体力とか、若い頃の無茶ができないとか。でも、情熱だけは今の方がずっと強い気がする。
やりたいことが少しずつ見えてきたからかもしれないな。絵を描くことも、文章を書くことも、若い頃にはただの趣味だったけど今は、それらは私の大切な「表現の手段」なのかと思えるようになった。
今年は、もっと自分に素直になってみたい。
上手くやろうとか、誰かに評価されようとか、そういう気持ちは置いといて、自分が楽しめることに向き合っていこうと思う。それが絵であれ、文章であれ、私の情熱が形になるなら、それで十分なんだな。
箱根駅伝の選手たちみたいに、自分の道をひたむきに進む。そう決めたら、2025年がかなり楽しみになってきた。
今年はどんな景色が見えるか、望む景色を自分に魅せてあげたいや。
情熱を胸に、一歩ずつ進んでみよう。